2021.01.20

急増する中国ライブコマース需要。Withコロナで変わる消費行動。

2020年、人々の生活様式は新型コロナの影響により大きな変化を余儀なくされました。

主に外出自粛による生活様式の変化は大きく、会議のオンライン化・フードのデリバリー・オンラインショッピングなどに関わるサービスの需要が急激に伸びたと言われています。

 

今回は2020年のコロナ禍において需要が急増した中国国内のオンラインショッピング事情、特にライブコマースの活用のされ方がどう変化していったかを書いていこうかと思います。

 

  • ライブコマースとは

「ネット販売」と「ライブ配信」が一緒になった新しい形のオンラインショッピングの形。

基本的にはKOL、KOCと言ったインフルエンサーがSNSの生配信機能を使い、自身のチャンネルで商品の紹介を行い、視聴者は気に入った商品があれば概要リンクなどから商品ページに飛び、その場で購入することが出来ます。

日本ではテレビショッピングのオンライン版と言うとイメージしやすいかも知れません。

 

  • withコロナで急拡大するライブコマース市場

大手会計事務所KPMGが2020年10月に発表した中国ライブコマースの市場規模予測では、2020年に1兆500億元(日本円=16兆8000億 1元=16円)、2021年には2兆元規模にまで成長するだろうと発表をしています。

年190%の成長率予想はかなり強気だなと思います。

しかし、中国全体のEC市場規模でいうと2020年時点で約204兆円と言われており、ライブコマースが占める割合はまだ10~15%であると考えると、まだまだ伸び代が大きいという見込みにも納得感があります。

 

 

 

  • ライブコマース利用業者の拡大

従来中国のライブコマースを活用し販売されている商品の中で人気なのは、「コスメ・家具・インテリア製品、キッチン用品、トレーニング機器」などと言われていました。

ライブコマースとの相性の良さそうなコスメは分かりますが、インテリアなどもライブコマースで多く買われている所に生活への浸透度の高さを感じますね。

 

そして2020年、未曾有のコロナ拡大により中国ライブコマースへの参入業者が急拡大していきます。

まず新たな参入として目立ったのが地方農家の方々。

新型コロナウイルスの影響で野菜をお店に卸せなくなった方々がライブコマースを通じて自身で作った野菜の販売を始めたのです。ライブを見て購入をしている人々からは直接農家の方に品質やサイズなどを質問してから買える、と評判も良く新たな野菜購入の形として定着しつつあります。

 

他にも、従来は直接足を運ぶことが当たり前だった住宅販売やショッピングモールもオンラインでの販売を強化し、場合によってはコロナ前よりも高い売上を作れているという例もあるようです。

 

  • ライブ配信者の変化

ライブコマースを利用する業者が拡大していくと共に、配信者にも変化が見られています。

それは、商品を作り出している本人、企業の代表、担当者などが配信者になるということです。

 

従来、ライブコマースを行うのはKOL、KOCと言われるインフルエンサーが一般的でした。

しかしコロナ禍で業績が落ち込み

  • 広告宣伝費が使いづらくなったこと
  • 人気配信者の需要が高まり思うようにアサイン出来ないこと

などが重なり、いわゆる「中の人」が配信するケースが増えてきました。

 

これにはメリットもあり、

  • 誰よりも商品の事に詳しい担当者が話すので説得力がある
  • プロモーションコストの低下
  • 配信タイミングがコントロールしやすい

などという点がハマり、一つの有効な配信手法として定着しつつあります。

確かに、「中の人」が直接商品を紹介してくれるならば説得力は相当なものがありますよね。

 

  • ライブコマース人気サービス

タオバオライブ(淘宝直播)

https://taobaolive.taobao.com/

中国ナンバーワンのECプラットフォーム、タオバオのEコマースにライブ配信を付随サービス。

強力な影響力を持っている。

 

TikTok(抖音)

https://www.douyin.com/

バイトダンスが運営している「TikTok」は、日本でもショートムービーアプリでお馴染みですが、その得意な動画配信サービス機能に、Eコマース機能を付け加えたライブコマース事業も展開しています。

 

視聴者ニーズが「買い物」ではなく、「動画視聴」なので、買い物目的以外の人も閲覧するところがポイントです。潜在的なニーズがある視聴者からでも商品を購入へ促すことができます。

 

快手(クアイショウ)

https://www.kuaishou.com/

規模的には中国No.2規模を誇る。ライブ配信アプリ「快手(クアイショウ)」はタオバオ、Tmall、JDなど多くのECプラットフォームと提携、各ECサイトへの商品ページにリンクを設定することができます。

 

  • 最後に

株式会社Kyoukanでは日本から中国に向けてライブコマースで商品を発売するお手伝いもしています。

KOL、KOCの活用から、自社で定期的にライブコマース配信を行うノウハウなどの提供も行っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。

https://kyoukan1.jp/

 

 

参考:JETRO「中国のライブコマース、2021年に2兆元規模へ」

https://www.jetro.go.jp/biznews/2020/10/a96bbe55659f00d6.html

 

参考:bae「コロナ禍でさらに多様化するライブコマース、スマート化が加速する中国」

https://bae.dentsutec.co.jp/articles/lifestyle-china-02/

 

参考:j-motto「withコロナ時代の勝ち組「中国ライブコマース」事情」

https://www.j-motto.co.jp/00000000/column/2020/20200701.html