2020.06.27

2020年中国コスメ業界の6大トレンドについて

 

 

2020年、中国のコスメ業界規模は620億ドル(約6兆6400億円)に達すると見込まれている。男性のコスメに対する意識が高まっているものの、やはり女性をターゲットにしたコスメが依然勢いがある。そこで、PARKLU(中国メディア)は独自に2020年のコスメ業界6大トレンド予測してみた。

 

  • 業界を越えたコラボレーション

国内のコスメブランドは今までに無いコラボレーションを仕掛けている。それは美術館や博物館とのコラボだ。これら限定コラボアイテムはユーザーからの評判も上々だという。

例えば、中国のコスメブランド「完美日记·(Perfect Diary)」はディスカバリーチャンネルとコラボして、12色のアイシャドーシリーズをリリース、3日間で24万個が売れたという

同社は依然も、大英博物館とコラボして、アイシャドウパレットを展開、11.5秒に1個が売れるという記録を打ち立てたこともある。

 

最近では、SK-ⅡとOpening Ceremony(オープニングセレモニー)のコラボも話題になった。2019年11月10日からOpening Ceremony(オープニングセレモニー)のキャロル・リム氏と世界各地のアーティストが上海のコロンビア・サークルでイベント「POWER OF PITERA」開催。この建物は歴史的建造物を基調にしており、そこでのイベント開催により、新しいブランド価値を生み出すのが目的だった。

 

 

 

 

 

こうしたコラボの可能性は有力視されており、Marie DalgarはCCTVの番組「国家宝蔵」とコラボして、復刻版の中国テイストのリップグレーズをリリース、ユーザーに中国の伝統に重きを置くブランドというイメージを印象付けた。

 

  • トレンドになっているトピックとアイテムの結びつけ

近年、多くのブランドが旧正月の際に新しいコスメアイテムをリリースするようになっている。それはこの時期、多くの若者たちが帰省の際に抱える独特のストレスがあるからだ。

例えば、2019年SK-Ⅱは未婚女性が帰省の際に抱えるストレスを取り上げ、1本の動画を公開した。「運命を、変えよう」というブランドテーマで、結婚へのプレッシャーに対して両親とわかり合うための一歩を踏み出した女性のストーリーである。公開初日に1800万再生を突破した。

 

 

また、2020年に入ってから、天猫は欧州チャンピオンズリーズのスポンサーであるハイネケンとMarie Dalgarとコラボ、サッカーファンをターゲットにし、ビールと口紅をセットにしてマーケティングを展開すると、10分で1000本を販売した。このキャンペーンは6200万人のユーザーを巻き込み、キャンペーンページへのアクセスは5000万に達した。

 

こうした例から分かるように、各ブランドはその年に話題になりそうなトピックやイベント、例えばスポーツや授賞式、祝日、コンサートなどとのコラボをしていく手法が注目されている。創意工夫して、KOLを巻き込み、どんな新しい価値が生み出されるのか、知恵を絞ることが勝機を掴むチャンスとなるだろう。

 

3.「小鮮肉(ピチピチのイケメンという意味)」とのコラボレーション

鹿晗、吴亦凡と言えば、おなじみの「小鮮肉」だ。彼らの美しい、ツルツルの肌はコスメ広告の至るところで目にするようになった。易烊千玺(イーヤン・チェンシー)はかつてジバンシーの口紅広告に登場したし、ディオールはTFBOYSの王俊凯を中華エリアのブランドイメージとして採用。

今もテレビのバラエティ番組やネットで新たなイケメンたちを発掘する努力がなされている。完美日记·(Perfect Diary)は朱正廷を口紅の、赖冠霖をファンデーションのイメージキャラクターに採用。また、同社は「口紅兄貴」として知られる李佳琦も起用した。

今後は、男性向けコスメのニーズもますます増えいくと予想されている。

 

  • 店舗販売の新しい形

コスメブランドは現在店舗での販売とECの融合の新しい形を模索している。Marie Dalgarは化粧品の自動販売機を考案した最初のブランドであり、他のブランドもそれに追随した。同社はさらに「To Go」と名付けられた無人店舗も展開。AR技術を用いて、ユーザーは製品を試すことができ、店員から勧められる気まずさやプレッシャーを感じることなく買い物を楽しめる。

 

 

 

5.「私域流量」、つまり、SNSにて多くのファンを抱えることこそが王道である

化粧品の特徴は、毎日ユーザーによって使われ、日常的にもいつも話題に上るということだ。そこで「私域流量」がカギになる。例えば、あるコスメブランドのWeChatアカウントを1万人がフォローしていたら、その1万人が「私域流量」ということにあり、ブランドは多くのコストをかけずとも、広告効果を得ることが可能になる。

この点において、「完美日记·(Perfect Diary)」は「私域流量」を活用して成功を収めた典型的なブランドと言えよう。数百のWeChatグループに数千の熱烈なブランド支持者を取り込み、その中でブランドに関する製品情報をやりとりできるようなマーケティング手法を構築。

コスメブランドは自身のWeChatやQQのプラットフォーム上でKOLに口コミ情報を宣伝してもらうことにより、新たな広告費を投下せずとも、ブランドは勝手にどんどん成長していくことになる。

 

6.体験型イベントの開催

去年、イヴサンローランは、コスメと音楽をディープに体験できるグローバルイベント「YSL Beauty Hotel」を世界各地で開催した。こうしたオフラインでのユーザーを魅了するイベントによって、ブランドのパワーや価値を感じてもらおうという狙いだ。また、多くのブランドはストリーミング中継などによって、オンラインでもユーザーにアプローチすることも忘れない。

去年、シャネルは「Coco Game Center」を上海、香港、他のアジアの各都市で開催、大好評を博した。このイベンドで、シャネルはアーケードゲームを復刻し、そこにシャネルのアイテムを組み合わせてみせた。クラランスもシンガポールに体験型の店舗を開設、インタラクティブに自社製品を知ってもらう試みを始めた。

 

 

 

 

結論

マーケターにとって、これから先1年のトレンドを見極めるのはとても大切だ。戦略を練るにあたってユーザーのニーズから戦略立案をスタートすることが何といっても重要だ。その際にこの2020年コスメ業界6大トレンド予想を役立ててもらえたら幸いだ。

 

参考)サイト名:2020年美妆行业六大趋势预测

URL:https://www.parklu.com/zh-hans/beauty-industry-trends-in-2020/